家が経済的に苦しい場合でも、海外留学するためのヒント

筆者は大学時代に1年間アメリカへ交換留学をしました。筆者の家庭は当時、3人の子供がいるにもかかわらず、父の転職失敗で給与が日本の平均以下となり、専業主婦の母が急遽働きに出るなどの状況でした。私が高校3年生、大学受験のタイミングでした。

そんな経済状況の私が大学3年時にアメリカの交換留学のチャンスを手に入れた際のことを紹介したいと思います。どうしても留学がしたいけれど、お金が無い…!という学生さん向けのヒントになればと思います。※あくまで日本の大学から1年間だけでも留学する、というパターンをメインに書いております。

1.実家から通える、国公立大学に行く

実家から通える国公立大学に行くだけで、時間、お金の節約になります。

2.入学する大学の留学制度を確認する

国公立大学だと、日本の大学に学費を入れておけば提携先の学費は不要の交換留学制度があります。入学する大学のこれらの留学制度を確認することをおすすめします。何がポイントかというと、アメリカなどの年間の学費が数百万円もする大学に、日本の国公立の学費(2023年時点で年間約54万円)で行くことができる点です。※渡航費、生活費等は別です。

こちらは中国地方の国立大学である山口大学の留学制度のページから抜粋したものです。提携先の大学の授業料は免除、留学中も山口大学に授業料を収めたらよいと書いています。

このような留学制度が「◯◯大学 留学」と調べると出てきますので、その大学の留学制度をチェックしてみてください。大学によっては「派遣先の大学の授業料」を払う、と記載されている提携大学があるようなので、その点は注意してください。

以下は、市立(公立)の下関市立大学の留学制度を抜粋したものです。大学によっては派遣先の大学の学費を払うようになっています。

また、実際にこれらの留学制度の利用状況などが確認できるとさらによいかと思います。

3. 返済不要、もしくは無利子の第一種奨学金を受給する

日本学生支援機構の返済不要の奨学金、もしくは第一種の奨学金(無利子)を申請します。難しい場合は、第二種(有利子)の奨学金も申請するとよいと思いますが、これらの奨学金は日本の大学の学費として支払う、もしくは可能な限り使わずに取っておくとよいです。

第一種(無利子)…借りた額と同額を返せばよい⇨100万借りたら100万返せばよい
第二種(有利子)…借りた額に利息分が上乗せされたものを返済する⇨100万借りて、仮に利息が2%の場合、102万円の返済が必要。

海外留学用の返済不要(給付型)・返済要(貸与型)の奨学金制度もあります

留学が決まったら、日本学生支援機構に別途海外留学用の奨学金も申請することをおすすめします。成績等がよければ返済不要の「給付型」の奨学金の受給もできる可能性あります。

4. 派遣先大学への言語レベル(TOEFL)や、留学条件を早めに確認しておき、交換留学生となれるようひたすら勉強

派遣先の英語のテストのレベルが決められているので、早い時点でそれを確認し、クリアできるようひたすら勉強をします。

筆者が大学時代はお金を使ってしまうので、サークルにも入りませんでした。

5.土日はバイトをして、渡航費、保険代、生活費を稼ぐ

学費は免除になっても、渡航費、保険代、生活費は自分で準備する必要があります。海外留学の奨学金が取れた人はゆとりがあるかと思いますが、取れない場合も想定して土日はバイトにフルコミットします。

1-2年で留学中の生活費を貯めます。生活費は年間どれくらい必要なのか、先に制度を利用した先輩等に確認するのもよいかと思います。

6.(おまけ)留学できたら…とりあえずTOEIC860点取る

帰国したら、就職活動等が始まるかと思います。

その際に留学した経験を伝えるためにも、TOEIC860点以上を取得することをおすすめします。大学生でこのTOEICの点がある学生はまだまだ少ないと思うのでアピールポイントにもなります。

あと、留学するまでの頑張ったプロセスが話せるようになっているので、就職市場でもかなり有利になります。

「学生時代に頑張ったことは留学です!」と言うと「・・・それで?」となるんですが、「経済的に苦しかったので、こういう計画をたてて、こうやって留学を達成しました」と過程を伝えると相手の反応がかなりよくなります。福利厚生&お給料の良い会社に入学して、奨学金もさっさと返してしまいましょう。

以上、家庭の経済状況で留学を諦めている人のヒントになると嬉しいです。