筆者は2022年11月に転職してバンコクで現地採用として働き始めました。
元々蓄財が好きで日本にいるときはNisaや勤務の企業型確定拠出年金でインデックス投資、高配当株投資など色々していました。
少しずつ配当金ももらったり、運用利益が積み上がったりと徐々に成果も出始めていたのですが…
どうしても海外で働くという憧れ、夢が捨てきれず転職して現地採用として働くことにしました。
海外で働くとなると、日本に住まないので「非居住者」となります。
「非居住者」は日本で証券口座が持てなくなり(持てるケースもあります)、Nisaや株式の売買ができなくなります。
なので、出国前に泣く泣く保有している投資信託、株式を売りました…悲しかったです。
その時に思いました。
せっかくちょっと増えた資産を普通口座に寝かしておくのはもったいない!!
何かできないかな・・・と色々ネットで調べて見つけたのが、
「2022年5月の法改正で非居住者でもiDeCoができるようになった」
という情報でした。
この記事では、最終的にiDeCoをやることにした筆者の考えや、実際の手続きについて簡単にご紹介します。
するにしてもしないにしても1つの選択肢として参考にしていただければと思います。
1.iDeCoするか悩む
iDeCoをするか悩んだ理由はいいくつかあります。
まず、やらないでいいかな…と思った理由は以下のとおりです。
- iDeCoで積立てたお金は60歳にならないと引き出せない…
- 日本で働いていないので、税制のメリットが受けられない。※iDeCoの拠出金は所得税などの控除対象
- 非居住者は年金を払わなくてよいが、iDeCoするなら年金を払う必要がある
- 元本保証ではないのでもらえるタイミングで資産が減っている可能性もあり
- 海外でもっとよい投資があるかも
- タイ出発前に手続き忙しい
次にやろうかな、と思った理由です。
- せっかく貯めた資産、すぐ使う予定もないのにそのまま銀行の普通口座に置いておくのはもったいない
- 前会社の企業型確定拠出年金の移管作業が必要なので、ついでにiDeCoすればいい
- 拠出額変更したいときにすればいい ※iDeCoの拠出金の変更は年に1回しかできません
- 将来日本に帰る可能性もあるので、日本でできる投資のほうがよいかも
- iDeCoだとS&Pとか全世界株のインデックス投資が可能
結論:所得税控除などのメリットは無いけどそのまま銀行に置いておくくらいなら、とりあえずiDeCoしよう
2.iDeCo加入の条件…海外居住でも国民年金の支払が必要
まず、非居住者がiDeCoをするためには、国外にいても「国民年金」を支払う必要があります。
以下、実際私が行った手続きの流れです。あくまで概要です。
1.渡航前に市役所に行ってまず市民課で非居住者になる手続き(海外に住みますという届け出)と合わせて、年金の担当課に行って非居住者になるけど年金は払い続けたいと伝えて、申請用の用紙をもらう。
※この時点ではまだ前の会社に籍があるので手続きできず、用紙をもらうのみでした。
私は2022年10月末退職、11月1日から転職先(タイ)勤務というスケジュールで、10月末にはタイに渡航していたため、年金の手続きは日本にいる家族にしてもらいました。
2.前会社で積み立てていた企業型確定拠出年金の移管作業のため、楽天のiDeCoの口座を作ることにしました。楽天証券の口座は持っていて、こちらでNisaをしていましたが、iDeCoの口座は別となるので新しくiDeCoの口座を作るのに楽天に別途申請する必要がありました。「楽天 iDeCo」などで検索したら加入方法などが出てきて書類を送ってくれます。
※手続きについてよく分からない場合は楽天証券はチャットサービスがあるので、色々手続きについて確認したり質問できたり非常に便利でした。
iDeCo口座の開設についても、退職後に前の会社から発送される書類があり、それを添付したうえで書類を郵送する必要があるため準備できるところまでは準備して、家族に手続きしてもらいました。
月々の拠出金額についても、iDeCo申請書類に記載する箇所があります。前会社の企業型確定拠出年のサービスを提供している会社を記載するなど、色々書くことがありなかなか面倒くさかったです。※ここで挫折する人もいるかもしれません。
3.実際のiDeCo口座開設完了までのスケジュール
楽天iDeCo口座の開設完了までのスケジュールは以下のような感じでした。
1.2022年10月末退職。11月中旬に前会社から年金、iDeCoの申請に必要な書類が届き、家族が市役所で年金の支払手続き&楽天に書類送付
2.12月初旬に楽天証券のiDeCo口座の手続きステータスが「楽天審査中」となり、そのあと1週間くらいで「国民年金基金連合会審査中」となる。※審査1-2ヶ月はかかりますとの文言あり
3.「国民年金基金連合会審査中」のステータスのまま動きが無く、実際に手続き完了のステータスとなったのが、年明け2023年1月末くらい。
4.数日後、口座開設完了のお知らせがタイの住所に届く。他にもいくつか関連書類が届く。
3.iDeco積立開始
以上こんな感じの流れでiDeCoの手続き完了しました。
海外に永住することが決まっている人などは、受取時に日本で税金がかかったりするのでメリットは少ないかと思われます。
わたしも、将来日本に可能性がゼロではない、普通口座にそのまま資産を寝かしておくくらいなら…と思って積立てており、将来日本に帰国することになったら、Nisa、高配当株投資なども再開したいと考えています。
日本で収入が発生する場合は、iDeCoは所得税控除などのメリットが受けらますし、そのままiDeCoを継続するという選択肢もアリかと思います。
今後すべきこと(したいこと):iDecoの出口戦略(受け取り方)の勉強
iDeCoは拠出金が所得控除の対象となり運用益等にも税金はかかりませんが、受取時には税金がかかります。
受け取りの際に退職所得控除や年金控除などをうまく活用して、できるだけ税金がかからないような受け取り方を考えて置かないと、せっかく増やした資産を税金で持っていかれるという悲しいことになってしまいます。
iDeCoの出口戦略について勉強したら、また記事を書きたいと思います。
以上、海外居住でiDeCoをする際の参考になれば幸いです。
2024年2月追記;出口戦略についての記事もその後書きました。